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契約の民―ユダヤ人



ユダヤ人は、契約の民と言えるでしょう。

ユダヤ人の社会では、ずっと昔から契約が存在します。イスラエルのいろんな昔の発掘現場から、「クトュバ-Kutuba」と呼ばれる、結婚するときに花婿から花嫁に渡される結婚の契約が発掘されています。これは、もし離婚あるいは夫が亡くなって未亡人になった時に、慰謝料は、財産をどうするか、夫から妻に養育費はいくら渡すかなどが書かれています。つまり、女性を守るための契約です。クトゥバは、1500年以上前から存在します。


Photo by David Veksler on Unsplash

先日イスラエルの裁判で、日本の会社のお手伝いをしました。国際的にビジネス展開をする会社は、裁判沙汰になることもあります。とくにアメリカや、イスラエルでは多い方かも知れません。

このIJ-WINグループの、シラ・プリオンさんがブログで書いたように、日本の人口約1億2千600万人に対して弁護士の数は約4万人、イスラエルの人口は約900万人に対して弁護士の数は、日本の弁護士の数を上回る6万7千人となっています。この数からみても、根本的にいかに考え方が違い、イスラエルでの弁護士の仕事がすごく多いのが、よく分かります。




私も長くイスラエルにいますので、裁判の経験があります。すべての個人間、会社間、個人と会社間、いかなる組み合わせにおいて、イスラエルではまず契約から始まると言えます。こちらの弁護士はしたたかで、契約のみでなく、商談成立あるいは、裁判で勝利したら何パーセント貰うなど、利益も受け取るような条件を付けることも稀ではありません。

日本の会社、あるいは個人で、外国の会社とビジネスを始めるときは、必ず契約をきちんと交わして行うことを勧めます。しかし、ここで大切なのは、例えばイスラエルの会社と契約をする時に、イスラエル人の考え方を理解して契約を交わす必要があるということです。もともと日本人は、日本人の考え方をしていて、イスラエル人とは考え方が違います。むしろ、日本人は外国のどの国とも考え方が違っていると言えます。



それでは、日本の会社はどうしたらいいのでしょうか?



日本の大きな会社の場合、イスラエルの大きな弁護士事務所を使うでしょう。しかし、ここで大切なのは、その弁護士事務所もイスラエル人であり、日本人の考え方を理解していないのです。もちろんこの場合、お客様なのでイスラエルの弁護士は、イスラエル式でお客様のために努力します。しかし、日本人の頭の中が見えるはずもなく、いかに前もって準備しても、最大限の準備は不可能だと言えるでしょう。

裁判では、相手側のイスラエル人の弁護士の尋問に、なるべく正直に誠意をもって答える日本人を見ながら、そこは答えなくても良かったかもしれない、もう少し違う表現をした方が良かったかもしれない・・・・という場面が何度かありました。裁判中なので、助言をすることができず歯がゆい思いをしました。


嘘をつく必要はないのですが、すべてを話す必要もないのです。つまり、相手側はその証言を逆手にとって、自分にとって不利になる場合があります。そのような時は、無理して答える必要はありません。例えば、相手側の弁護士が、前もって提出していなかった英語の書類を、裁判の本番で提出してきて、それを使って質問を始めました。日本人の証人は、英語は分かりませんと言ったにもかかわらず、相手の弁護士は尋問を勧めました。もちろん日本の会社側の弁護士は反対しましたが、裁判官は尋問を許可しました。その場合、私は英語が分からないし、全くこの書類は読んでいないので、ここでの答えは控えさせていただきます。とはっきり断れば、それで終わるのです。しかし、とても協力的な日本人は、何とか努力して答えていました。


何事も経験しなければ、分かりません。イスラエル人でさえも、裁判ですぐ最強の対応ができるはずはありません。ましてや全く考え方が違う日本人の場合は、さらにその対応が難しいと言えます。

私たちは、長くイスラエルに住んでいます。これまで、いろんなビジネスに携わってきましたが、特に契約、裁判、法律などは、特に日本人が苦手なところなので、経験のある私たちにご相談ください。イスラエルの弁護士と協力してベストのサポートを行えると信じています。


ヨスティング中村知子

tomokojos@gmail.com

IJ-WINブログ 2月25日2020年



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